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保険料と保険数学(保険数理)

保険料は保険数学(保険数理)によって計算されて決められています。

保険数学は、保険料、契約者配当金、責任準備金など保険契約の価格を計算する分野と保険会社の経営に関する分野に分かれています。

保険数学は保険業法第122条の2第2項により、法廷指定人である、保険計理人(アクチュアリー)が担当する事になっています。

保険数学では基本原則として保険料は保険金の現在価値と同じになるように決められています。
P=WZ
Pは保険料、Wは保険事故発生率、Zは保険金です。 これが給付・反対給付均等の原則です。
給付・反対給付均等の原則は保険会社の立場から見たものですから給付が保険金、反対給付が保険料ということです。

保険料は給付・反対給付均等の原則によって保険金と同じ価値に設定されており、所謂、等価交換ということになるので保険料をしっかり払ってさえいれば保険事故が発生した時は当然の権利として保険金を受け取る事ができます。

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保険会社の払い渋り

保険は何か困った事態が起こった場合に最終的にお金の部分を保障する経済制度です。

死亡や後遺障害により高額の保険金を手にするよりも、ほとんどの人はそんな事態にならない事を望むと思います。

起こってしまった不幸な事態をお金で清算するよりも、まずは保険金をもらう必要が無いようにリスクを回避する事が望ましいです。それは保険加入者にとっても、保険会社にとっても同じことです。

しかし、いざ不幸にして不測の事態が起こった場合、保険加入者からすれば速やかに保険金が支払われる事を望むのですが時々、保険会社の払い渋りも問題になっています。

保険会社からすれば、よりリスクの心配がある人が保険加入を希望し、その結果保険加入者の中でリスクの高い人の割合が高くなってしまったり、モラルハザードの問題もあります。

モラルハザードとは保険加入者が保険に加入している事によってわざとリスクを回避する為の注意を怠ってしまったり、積極的にリスクを伴う行動を起こしてしまう事です。

保険会社も企業として利潤を追求していかなければならないので保険金請求がなされた時に告知義務違反やモラルハザードが無いか保険審査を厳しくする必要が生じます。またできれば保険金は払いたくないのが本音でしょう。

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保険事業の公共性について

保険事業はその公共性から国家によって規制されたり、「保険加入者の利益を保護する」という名目で国によって保険会社の利益が守られたり・・といった一般の企業ではありえない対応がなされています。

一般の消費者や企業はもちろん、学校などの公共団体や銀行などの金融機関など多くの経済基盤が保険に加入している為、保険事業には社会性が存在します。その事が保険の公共性につながります。

そして多くの場合、生命保険は長期契約で経済的保障を約束する契約の為、保険会社には長期間の経営の安定が必要とされます。

また、保険事業の金融機能の側面から見ても投資運用される保険資金が巨額な為、社会経済に与える影響が大きいことも保険事業が公共性を帯びている理由となります。

これらのことから保険事業は一般企業と違い、破綻の危機に際しても「公共性がある」との認識である程度は守られる事になります。

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損害保険と生命保険、第三分野の保険について

日本では従来より保険は、損害保険と生命保険というように分けられていました。

生命保険は保険の対象が人間の生命の生死である事に対し、損害保険は実際におきた経済的な損害の評価額が保険保障の対象となっています。

これは保険業法に於いても「不特定の者を相手方として、人の生死に関し一定の保険金を支払う事を約し保険料を収受する保険(=生命保険)」と「一定の偶然の事故によって生ずることのある損害をてん補することを約し保険料を収受する保険(=損害保険)」というように分けています。

実際には損害保険と生命保険の中間に位置する保険というものがあり、近年では第三分野の保険として急成長してきました。

終身保険、定期保険、養老保険などの生命保険を第一分野、火災保険、自動車保険、地震保険などの損害保険を第二分野とし、医療保険、がん保険、介護保険などが第三分野の保険という位置づけになります。

しかし現行の保険業法では生命保険業と損害保険業の免許を同一の会社が受ける事はできません。生命保険と損害保険の性質を併せ持つ第三分野の保険が生命保険とみなされるのか損害保険に分けられるのか・・という問題は両保険業界にとって市場の拡張という意味に於いて死活問題であると言えます。

保険業法では生命保険と損害保険の兼営が禁止されていますが子会社を通じての事実上の兼営は認められています。